📘 Academy原文準拠 | Phase 2 · Unit 3 · Lesson 3.2 Midnight’s Token Ecosystem: NIGHT, DUST, and the Privacy Choice 内容に忠実な日本語版です。原文(英語)・図・動画は公式 Academy(外部リンク・別タブで開きます)を正本に。
どのブロックチェーンにも「ネイティブトークン」があります。Ethereum なら ETH、Bitcoin なら BTC。Midnight には NIGHT があります。
でも Midnight はちょっと変わったことをしています。価値をもつトークン(NIGHT)と、取引のために使う(燃やす)リソース(DUST)を別のものにしているのです。
たいていのチェーンは、この2つを1つのトークンにまとめてしまいます。Midnight はそれを切り離します。そして、その分離が何を可能にするかを一度知ると、もう元には戻れなくなります。
NIGHT トークン
NIGHT は Midnight のネイティブな実用トークンで、総供給量は 240億(24 billion)に固定です。NIGHT は unshielded(隠さない)=すべての NIGHT 取引は公開され、誰にでも見えるという性質をもちます。
この透明性は意図的です。なぜなら NIGHT は次のために使われるからです。
- ガバナンスと投票(Governance and voting)
- コンセンサスへの参加(Consensus participation)
- ブロック生成の報酬(Block production rewards)
- 取引所での売買(Trading on exchanges)
つまり、あなたは NIGHT を持ち、NIGHT をステークし、NIGHT でガバナンスに参加します。でも、取引手数料を払うために NIGHT を使うことはありません。
DUST

DUST は、状態(state)を更新するために燃やす(burn)ものです。これは買ったり取引したりするトークンではありません。NIGHT が DUST を生み出します。
NIGHT をソーラーパネル、DUST を電気だと考えてみてください。NIGHT を保有して、それを DUST アドレスに登録しているかぎり、時間とともに上限(cap)まで DUST が連続的に生成され続けます。上限に達したあとは、裏付けとなっている NIGHT を使う(spend)まで、最大値のまま保たれます。
🖼️ 図(原文):ソーラーパネル(NIGHT)が電気(DUST)を生み、上限まで貯まっていくイメージ図。正本は公式 Academy(外部リンク・別タブで開きます)を参照。
DUST の性質:
- Shielded(隠される):手数料の支払いが、あなたの取引パターンを露出させません。
- Non-transferable(譲渡不可):DUST の支出は自分自身への支出(self-spend)です。DUST は手数料の支払いにしか使えず、余り(remainder)は新しい DUST UTXO としてあなたに戻ってきます。
- Decaying(減衰する):裏付けの NIGHT を使った瞬間から、ひもづいた DUST はただちにゼロへ向かって減衰し始めます。これはため込み(hoarding)を防ぐためです。
残高が一定の普通の暗号通貨とちがって、DUST の残高は時間と、あなたの NIGHT トークンの状態に応じて動的に変化します。
なぜ分けるのか(Why the Split ?)
同じトークンが「価値の保存」と「計算の燃料」を兼ねるチェーンでは、利害が衝突します。投機家はトークンをため込みたい。事業者はそれを使いたい。投機が支配的になると、手数料が予測不能になります。トレーダーがそのトークンに資金を回したせいで運用コストが一晩で倍になったら、ビジネスは生き残れません。
Midnight の分離はこれを解決します。NIGHT の市場での動きが、あなたのアプリの運用コストを左右しません。DUST は、安定して予測できる運用の土台を与えてくれます。
ここにはプライバシーの観点もあります。公開ブロックチェーンでは、すべてのやり取りがあなたのウォレット履歴全体を露出させます。価値の保存に使うのと同じトークンで手数料を払うため、契約に触れた瞬間、あなたの活動グラフ全体が見えてしまうのです。
両者を分けることで、Midnight では保有する価値とひもづけずにアプリを利用できます。論理的な活動(何をしたか)と金融的なアイデンティティ(いくら持っているか)が、1つの公開記録に押し込められなくなるのです。
公開メンプールも MEV もない(No Public Mempool, No MEV)
公開メンプール(public mempool)は、「見えること」を悪用する産業をまるごと生み出してきました。透明なチェーンでは、あなたの取引が何をするのか・どのトークンを狙っているのか・いつ確定するのかを誰でも見られます。
これは、いくつものアプリのカテゴリを壊します。オークション、マッチングエンジン、取引戦略、競争型ゲームなどです。
Midnight はこの攻撃面を閉じます。
- 公開メンプールが無い(No public mempool)
- 手数料が隠される(Shielded fees)
- 意図(intent)は秘密のまま(Intent stays private)
開発者は、公開ブロックチェーンでは決して得られなかったものを手にします。自分の戦略がすぐさま自分に対して武器化されない場所です。
スポンサー取引(Sponsored Transactions)
ユーザーは、あなたのアプリを使うために NIGHT も DUST も持っている必要がありません。
開発者であるあなたが、ユーザーの取引を肩代わり(sponsor)できます。Batchers(バッチャー)の仕組みにより、開発者はユーザーのために DUST を立て替え(front)られます。つまり、あなたのアプリは、無料で目に見えないアクションをもつ Web2 製品のような使い心地になります。グロースの仕掛け(growth loops)、移行(migrations)、最初のひと触れのオンボーディング(first-touch onboarding)が、すべて摩擦なく進みます。
このようなオンボーディングは、ユーザーが製品を使う前に値動きの激しいガストークンを買わなければならないチェーンでは実現できません。
アイデンティティのモデル(The Identity Model)
1つの NIGHT ウォレットは、複数のプライベートな実行アドレスを束ねる(anchor する)ことができます。もう、次のような図式に縛られません。
ウォレット = アイデンティティ = 履歴 = すべての行動が相関づけられる
代わりに、こうなります。
- NIGHT アドレスが、価値とガバナンスを束ねる(anchor する)。
- DUST アドレスが、プライベートな操作を行う。
開発者は、ロールベースの権限設計・ゲームのロジック・マルチテナントなシステムを、アイデンティティのグラフを露出させずに組み立てられます。
Shielded と Unshielded のトークン(Shielded vs Unshielded Tokens)

NIGHT と DUST だけでなく、Midnight 上のすべてのトークンは shielded(隠す)または unshielded(隠さない)のどちらにもできます。
- Unshielded:取引は公開。規制対応(regulatory compliance)、取引所への上場(exchange listings)、透明なトレジャリー(transparent treasuries)に。
- Shielded:取引の詳細を ZK 証明で隠す。プライベートな支払い、秘匿性のあるビジネス取引、メタデータの保護に。
さらに、トークンがどこに住むかも選べます。
- Ledger トークン(Ledger tokens):ブロックチェーンにネイティブ、UTXO ベース、最大のパフォーマンス。
- Contract トークン(Contract tokens):スマートコントラクトの中に住む、アカウントベース、プログラム可能なロジック。
これらを組み合わせると、4種類のトークンタイプができます。
🖼️ 図(原文):上の2軸(shielded/unshielded × ledger/contract)で4象限に分けたトークン分類の図。正本は公式 Academy(外部リンク・別タブで開きます)を参照。
ビューイングキー(Viewing Keys)
ふだんはプライバシーが必要だけれど、ときどき規制当局に何かを証明したい――そんなときはどうするのでしょう。
Midnight は viewing keys(ビューイングキー)をサポートします。これは、あなたの shielded な取引への読み取り専用(read-only)アクセスを与えるものです。監査人(auditor)に1つ渡せば、その人はすべてを公開にすることなく、あなたの履歴を検証できます。
⚠️ 重要:ビューイングキーは、一度共有すると取り消し(revoke)できません。これは現実的な制約なので、共有は慎重に。
まとめ(原文の結び)
Midnight のトークン設計は、価値と計算、そして透明性とプライバシーを切り離します。NIGHT と DUST を分けることで、開発者は次のものを得ます。
- 予測可能な運用コスト(Predictable operational costs)
- プライベートで MEV 耐性のある実行(Private, MEV-resistant execution)
- 摩擦のないスポンサー型オンボーディング(Frictionless sponsored onboarding)
- 複数アドレスのプライバシーモデル(Multi-address privacy models)
- 市場が動いても、競合に見られていても壊れないアプリを作れること
開発者として押さえる点
- 価値は NIGHT、燃料は DUST。NIGHT は固定供給240億で unshielded(公開)、手数料には使わない。DUST は手数料に燃やす shielded なリソースで、買えない・譲渡できない。
- DUST は NIGHT が生む。NIGHT を DUST アドレスに登録すると上限まで自動生成。裏付け NIGHT を使うと DUST はゼロへ減衰(ため込み防止)。残高は時間と NIGHT の状態で動的に変わる。
- DUST の支出は self-spend。手数料にしか使えず、余りは新しい DUST UTXO として戻る。
- 公開メンプールが無い=意図が秘密=MEV 耐性。オークション・マッチング・取引戦略・競争型ゲームが守られる。
- スポンサー取引(Batchers)で開発者が DUST を立て替えられる。ユーザーは NIGHT/DUST 不要で、Web2 ふうのオンボーディングが可能。
- どのトークンも shielded/unshielded × ledger/contract の4種を選べる。プライバシーが必要なら shielded、監査が必要なら viewing key(読み取り専用・取り消し不可)。
やさしい版・公式へ
- やさしい版:NIGHT と DUST のはなし
- 公式:Academy Courses(外部リンク・別タブで開きます)(Phase 2 / Unit 3 / 3.2)
- 公式ドキュメント:Midnight Docs(外部リンク・別タブで開きます)(トークン・手数料・DUST の詳細はこちら)
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